22.ちいさな王子(訳:野崎歓)
- 作者: サン=テグジュペリ,野崎歓
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 文庫
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この小説でおそらく最も有名なのはきつねに教わった次のフレーズなんじゃないだろうか。
p.113
「大切なものは、目には見えない」
これは、自分と友達をつなぐものは決して目には見えない「きずな」なんだよ、ということ意味している。自分と友達、そしてその他大勢の人たちの間には目に見えた違いはない。だけどその間には目には見えないつながりがあるんだよ、と。
さっき、この本には付箋を多く貼ったと書いたけど、ふと子ども視点あるいはもっと異なった視点による、何気ないそして考え出すとなかなか深いようなものも多い。
p.96
「人間ですが?たぶん、六人か七人はいるでしょうね。何年か前に見かけましたよ。でも、どこにいるのかなんて知りません。なにしろ風まかせでしょう。人間には根っこがありませんもの。それで人間はずいぶん苦労しているんですよ」
いろいろあるけど個人的には、次のセリフ。
p.108
「辛抱がかんじんだよ。最初はぼくからちょっと離れて、こんなふうに、草むらにすわるんだ。ぼくはきみのことを横目で見るけど、なんにもいわないでね。ことばは誤解のもとだから。でも毎日少しずつ、ぼくの近くにすわるようにして・・・」
「ことばは誤解のもとだから」。いいです。この小説に出てくるとなんとも言えない雰囲気をかもし出すよね。