44.マリア様がみてる フレームオブマインド 今野緒雪

(ネタバレも含むので注意)
 購入からおよそ半月もたってしまった。本当はある本を読み終わってからにしようかと思っていたんだけど読んじゃったよ。短編集だけあって切りをつけて読みやすくて、そしてついつい次の話を読んでしまう。短編集としてはバラエティギフト、インライブラリー以来みたい。

 これを書く前にパラパラと3つのブログを見て来たわけだけど、全部に書いてあったのが「妖精の妖精」のシーおよびフェの正体が誰?かっていう話。

p.196
 だがそれは本当のことで、その証拠にシーは生徒手帳を破るとフルネームを書いてそれを皐月にくれた。
 ずっとシーをシーとしてしか認識していなかったから、初めて目にしたシーの本名は、見ていてなんとなくこそばゆかった。

ここまで書いておきながら明かさないのはやっぱり何かあるからなんだろうなぁ。最初は、特に意味もなく蟹名静?とか思ったけど調べたら松組みじゃなくて藤組みだった。うーん、わかんない。フェにいたっては見当もつかない。そもそも蓉子世代はあまり人物が出てきた覚えもないしヒントも少なすぎ。

 その一方でドッペルかいだんのアリコはある程度(というかほぼ確実に)予想がつく。フレームオブマインド?の会話で。そもそも学外の登場人物で女みたいな男って2人といた?


 と、そこまでが読んでいる途中に気になったこと。で、好きな作品は、まあ妥当な「四月のデジャブ」、少し変化球の「三つ葉のクローバー」そして「不器用姫」でした。といってもほとんどが好きな作品だったんだけど。

四月のデジャブ

 以前これに似た短編があったような気がするんだけど。。。気のせいかな?途中あたりからなんとなく先が読めてきた(マリみてって普段読む小説に比べ明らかに、そして読み直すと分かりやすい複線が多いから気になっちゃう)。だけど、もう一歩のところで読みきれない部分があってエンドで「あぁー、そういうことね」みたいな感じ。いい話だった。あと、ちょっと百合。

三つ葉のクローバー、不器用姫

 四月のデジャブに比べまったく違う雰囲気の作品だった。とはいってもこの2話の間にも超えられない壁が存在しているんだけど。この話が好きなのは、自分の身の周りとはまったく異なる環境で、それこそファンタジーともいえる環境なのになんだかとても身近に感じられたためかな。特に不器用姫はマリみてらしくない感じだったのかもしれない(そうでもない?)。だけどそれを正面から受け止めて写真に写った寛美がよかったな。

 うーん、早く次巻が出ないかな。楽しみ。