48.風と共に去りぬ4 ミッチェル(大久保康雄訳)

風と共に去りぬ (4) (新潮文庫)

風と共に去りぬ (4) (新潮文庫)

 1巻から3巻までは、実は3年くらい前に読んでいた。だけど、理由は忘れたけど、4巻を買ってからは読むのを止めてしまった。別につまらないと思ってはいなかったけど。

 そして、今回いきなり4巻から読み始めたのだが、面白くてとまらない。以前読んだときより訳がいきいきと感じられるのもその理由の一つだと思うが、それ以上に、スカーレットが以前のようなただの(女としてではなく社会的立場として)弱い女ではなく、バリバリのキャリアウーマンのような強くなって突き進んでいるところだ。そのくせ、一方ではアシュレに対する思いは相変わらずでそのギャップがまたスカーレットの魅力を引き立てる。
 そして、最後の展開から次巻を期待せずにいられない。

 この小説を読んでいると黒人解放をされた当時については果たしてそれがよかったのかどうかという疑問を抱くのは私だけではないだろう。以前どこかで読んだ江戸から明治にかけての「武家の女」ではないけれど、自由が少ないということは、ある意味では苦労の少ないということでもある。これはまさにビッグサムの言っていることだ。もちろん黒人解放を否定しているわけではない。奴隷制度は絶対に間違っていると思う。
 しかし、何においても大きな変革が起きたときにはその反動が起きて、最終的にはマイルドな収束点へ収束していくのは世の常だ。そん時代はやはり激動の時代だといえるだろう。