7.詭弁論理学

詭弁論理学 (中公新書 (448))

詭弁論理学 (中公新書 (448))

 本書の目的は決して詭弁を振りかざして議論に勝てるようになることではないのでまずそこに注意。最初のあたりはタイトルどおりよくありがちな詭弁・強弁の種類を述べて、後半は論理パズルやパラドックスなどの話が書かれている。筆者は数学者ということであるがときおりでてくるまるで落語みたいな例は分かりやすくてとても面白い。
 個人的には前半については目次だけでかなりの内容が分かると思うので特に面白いのは後半じゃないだろうか。論理方程式(こう書くと難解そうだけど)などの話はあまり学んだことがなく数学的な話と現実的な例をうまく折り合わせて「なるほど!」とうなること間違いなし。とはいっても、やはりというかパラドックスの話は一回引っかかるとなかなかその穴から抜け出しにくい可能性もあるかもませんが。

  • 強弁
    • 2分法:物事を良い悪い/善悪などのように強引に2択にせまる方法。トレードオフのような関係を許さない。
    • 相殺法:Aといった点もあるけどBといった問題もありますよね、といったようにメリット(やデメリット)に対してその逆の問題を指摘すること。特に問題となるのは、相殺するために呈示した問題がもう一つの議題とつりあっていないような場合。
      • eg.「あの政治家の国際政治に関して鋭い洞察力をお持ちですけど、料理が下手ですよね。」