25.若手行員が見た銀行内部事情
若手行員が見た銀行内部事情―なぜ僕は希望に満ちて入社したメガバンクをわずか2年足らずで退職したのか
- 作者: 稲村圭
- 出版社/メーカー: アルファポリス
- 発売日: 2003/10/01
- メディア: 単行本
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コレを読んだのは落ちる前で、正直前途洋洋としていた気分が多少なりとも暗くなった。もちろん、ここに書いてあることがすべてではないだろう。そもそも2年程度働いた行員があれほどの巨大企業のどれくらいがわかるというのだ。特に、金融商品を開発したりする本社のいわゆるブレインたちであればおそらくここに書いてあることは「悪い面を見ればね」という感じなのかもしれない。しかし、行員の大半が本社ではなく支店で働き、融資などの業務を行っていることを考えるとひとごとではないはずだ。
コレを読みながら、ある一人の知り合いを思い出した。その知り合いは人事の人たちがすごいイイ感じだったから頑張って採用にこぎつけたらしい。しかし、彼女は翌年悪夢を見る。休みがない。飲食店でバイトがいないなら、自分が働くしかない。もちろん彼女だけが忙しいわけではない。社員全員が忙しい。アルバイトなら絶対に休憩がもらえる。それに対して社員には(忙しいときは)休みは一切なかった。しかも社員だから延長しても給料は増えない。夜遅くまで残れば残業代は出たのかもしれないが、休憩がないことは残業代には結びつかなかったらしい。
そして彼女はやめた。もうこれ以上は無理だと。
その企業の情報をみん就で読んだ。彼/彼女らの前には大海原が広がりそこに旅立つかのように、内定を取れたことを素直に喜んでいた。僕は「みんな喜んでいるところに釘を刺して悪いけど、この会社は大変だよ」と書きたかった。でも、そんなのこっちもまったく一緒だ。この本でここまで酷いことが書かれていながらも「きっとメガバンクなら。。。」という気になっていたのだから。
話がそれたけどもしメガバンクを受けようと思うならば、一読しておいて損はないと思う。その上でこの厳しい環境下でも突き進んで行ってやる!という人はぜひ目指すべきだろう。でも、実力があるなら外資でも。。。と思わないでもない。激務はともかく上下関係があんなに大変では。。。
最後に、この本を読んでメガバンクはヤバイ!と思う人も多いはず。だけどイジメられる側があるなら、逆にイジメながら上に昇っていく人がいることも事実だ。自分が筆者側だと思わされているが、筆者側につかなければ問題ないわけだね。もちろん、最初は筆者側につくんだけど。