27.趣味は読書。

趣味は読書。 (ちくま文庫)

趣味は読書。 (ちくま文庫)

 本書は書評ということでベストセラーの内容に踏み込んでいる部分があるのでこれから読むつもり、という本の部分は読めない。その一方で以外に知らないベストセラーを知るといった読み方もあるかもしれない。ただし、「すぐに稼げる文章術」だったと思うが「書評とは1)本を読む気にさせる、2)書評そのものが面白いの少なくともいずれかを満たすべき」という条件のうちおそらく2)のみを満たすものだと思ってよく、大抵の作品は「男にとって都合がいい作品」だとか「拡大解釈を許容する作品(=それを買う読者がイマイチ)」というようにバッサリ切られている。かといって、いわゆるビジネス書だとか歴史書、古典も肯定しているわけではなくむしろ否定的。このように、いろんなベストセラーをばったばった切り裂いていく切れ味鋭い辛口コメントを楽しむのが正しい読み方なんじゃないだろうか。
 ただし、載っているベストセラーで感動しただとかいう人には薦めない。ムカッと来るかもしれないので。それらの共通項を見つけたりだとかいう部分の分析はちょっと「ほぉぉ」と思わされた。

 個人的にはこのノリに食傷気味。むしろこの筆者が第絶賛している本の批評本が読んでみたい!