051.ヤバい経済学 悪ガキ教授が世の裏側を探索する スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー 訳望月衛
- 作者: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: 単行本
- 購入: 34人 クリック: 437回
- この商品を含むブログ (246件) を見る
題材のをみてみると、一見、経済学とどんな関係があんの?と思わないでもない。でも、各テーマの根底には経済学的な考え方が詰まっている。んー。。。ちょっと伝わらないかな?ここで言いたい「経済学的な考え方」っていうのは、「インセンティブ」の考え方だったり「情報」の考え方だったり「相関と因果」だったりする。どの内容も、少し聞いたことがあるなら、何となく分かってるつもりになりがちだ思う。でも、それぞれには結構いろんな要因が実は裏に隠れていたりして思ったとおりにならなかったり、間違った理解から思わぬ結論に結びついたりしそうなことだ。特に時々間違えそうになるのは、相関と因果だ。
たとえば、p.193には「家にたくさん本があれば子供は学校の成績が良くなるか?」という疑問と「家にたくさん本がある子供は、本がない子供もに比べて成績がいい傾向があるか?」という疑問がある。ぱっと読んだ感じだと、同じこときいてるよね?って思うかもしれない(僕は思った)。でも、ひとつめの質問は「本があれば成績は良くなる?」という質問で、後者は「本の量と成績は関係がありそう?」としか聞いていない。もう少し言うと、前者は積極的に本が成績に影響を与えている(因果関係)、と言う解釈になるのに対して、後者は本が直接成績に影響を与えているか分からないけど少なくとも本が揃えられているような環境で育っている子供は成績が良さそう(相関関係)と言う解釈になる。
こういう間違いって結構世の中に溢れていそう。ある地域では医者も多いが、病人も多い→病人が多いのは医者が多いせいだ→医者を減らせば病気になる人は減る!!変だよね。でも常識から外れてないような論法になると勘違いしやすい。こんな考え方をしないように気をつけたい。
最後に
話が内容とは少しずれるが、気にとめておきたい内容があった。
疑問を立てるときの最初の秘訣は、立てた疑問がいい疑問かどうかをはっきりさせることだ。それまで問われたことのない疑問だからといって、いい疑問だとは限らない。これまで何世紀もの間、頭のいい人たちがいろいろな疑問を考えてきた。だからこれまで問われなかった疑問には、ほとんどの場合、つまらない答えしか出ない。
でも、もしもみんなが本当に気にしていることを疑問として立て、みんなが驚くような答えを見つけることが出来ればーつまり、通念をひっくり返すことができればーいいことがあるかもしれない。