64.ぼくはこんな本を読んできた 立花隆
立花式読書論、読書術、書斎術 ぼくはこんな本を読んできた (文春文庫)
- 作者: 立花隆
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/03/10
- メディア: 文庫
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「実戦」に役立つ十四ヵ条
読書論としての、『「実戦」に役立つ十四ヵ条』はシンプルでよかった。
- 金を惜しむな。本は費用対効果を考えると安い。
- 一つのテーマについて必ず何種類もの類書を読め
- 選択の失敗を恐れるな。失敗無しに選択能力は身につかない。
- 自分の水準に合わないものは無理して読むな。水準が高すぎるか低すぎるかのどちらか。
- 読むことを止めた本についても、一通り目を通す(読むわけではない)。
- ノートをとるな。ノートをとる時間を他の本を読むのに利用しろ。
- 人の意見やブックガイドの類に惑わされるな。流行のブックガイドにはお粗末なものが多い。
- 注釈を読み飛ばすな。注釈にこそ本文以上の情報が含まれていることが多い。
- 気になった箇所ではその根拠を探れ。
- 疑いを持ったらオリジナルデータにあたれ。
- 翻訳には誤訳、悪役が極めて多い。
- 若いときには何を差し置いても本を読む時間を作れ
書斎に関して
書斎に関する部分がかなり細かい。棚の作り方だとかに45ページもの紙面を費やしている。が、個人的にはそれほど興味の対象ではなかったのでサラッと流した。
読書論
途中から読書論が対談形式であったがここもなかなか面白い。だが、いくつかのいけんについてはどうなのかなと思ったりした。
読まないと文章は書けないからね。まず消費者にならないと、ちゃんとした生産者にはなれない。それと、文学を経ないで精神形成をした人は、どうしても物の見方が浅い。物事の理解が図式的になりがちなんじゃないかな。
積極的に否定することもできないが、根拠のない一般論または自分の経験から導き出された傾向としか言えないと思う。自分の身の回りに文学的な素養を深く持った知的な人がいないのでそもそも批判できる立場にないのだが。
書評に関して
最初に書いたが、これより後著の方が面白い本が多かった。気になった本は次の通り。
- 『エミシとは何か』\1,300
- 『図解・日本未確認生物辞典』\2,800
- 『オックスフォード動物行動学辞典』\15,000
- 『図解・金枝篇』\4,800
- 『蝶の飛ぶ風景』\4,200
- 『ウィトゲンシュタイン―その生涯と思索』\4,635
- 『ファーヴァー長官のファイル』\2,800×2
- 『リユニオンズ 使者との再会』\1,500
特に『思考のレッスン』で気になった金枝篇の図解版は非常に面白そうだ。が、実際にはかなり難解そうな気がする(たぶん確実)。